新しい作業着についているのり

新しくおろす作業着には、型崩れを防ぎ見栄えを良くする為に、もれなくのりがつけられています。これはワイシャツに施すのと同じ目的で、新品であれば避けることのできないものです。ただ、フィット感の強い衣類と同様に、あまり余裕のない作業着についているのりは厄介です。

型崩れを防ぐ意味では有用ですが、着心地を重視する人にとってはむしろ余計でしょう。


加工を取り除こう

この着心地に影響する加工を取り除くには、水かぬるま湯で洗うのがベストです。水溶性で水に溶ける性質を持ちますから、1回でも普通に洗濯を行えば落ちるはずです。より確実に落とし切りたい場合は、やや熱めのお湯に洗剤を溶かし、そこにしばらく浸け置きすることをおすすめします。

ただし、熱湯だと生地を傷めかねないので、浸け置き前に洗濯温度の確認を行う必要があります。大抵は40度位のお湯で事足りますから、火傷しない程度で優しく洗うのが賢明です。30分から1時間程浸け置けば、洗浄剤が繊維の内部に浸透しているので、後は洗濯機に入れて普通に洗うだけです。

洗濯後は型崩れを防ぐ為に、適度な脱水を済ませて早めに干しましょう。生地を手で広げて伸ばしたり、中綿入りであれば偏らないようにするのも大事です。作業着の洗う頻度や回数は人それぞれですが、のりがなくなると型崩れしやすいので、その点に気をつけ身につけることが大切です。

着心地の変化

洗濯を行い乾燥を経たものは、袖通りが良好で肘や肩が突っ張りにくくなります。また全体的に生地が柔らかくなるので、背中を反ったり腰を捻った時の追従性も感じられるでしょう。袖や首周りも若干緩みますから、締めつけるような感覚が減って快適性がアップします。

新品時はパリパリで固すぎることもあるので、一度洗った後の方が丁度良くなる印象です。洗わなくても着ている内に柔らかくなりますが、それを待つ為に我慢して着用する必要はないです。洗うのに多少の手間は掛かりますが、作業の大部分は洗濯機で完結しますから、着心地に我慢する位なら思い切って洗うのがおすすめです。

勿論、新品の固さを楽しみたい場合はその限りではないですし、しばらく着用してから洗濯するのもありです。いずれにしても、一度水に浸ければゴワゴワ感が減り着やすくなるのは間違いないので、必要に応じて洗うのが無難です。

手で揉んで柔らかくする方法もありますが、手間が掛る割にはいまいちだといえます。ただ単に揉むのであれば、洗剤液に浸ける中で揉んでのりを落とす方が合理的です。それなら効果的に落とせますし、浸け置き時間が短くなり生地のダメージを減らせるので、一石二鳥になります。

洗濯しても落ちない汚れ

新品ではなく、愛用する作業着に何かがついて固着した時は、単純に洗うだけでは落ちない恐れが大きいです。仮にもし洗濯によって改善しないなら、水溶性の汚れではない可能性が高まります。接着剤や業務用ののりなどがついてしまった場合は、溶剤代わりになる除光液の使用が最適です。

除光液はやや強力な溶剤ですし、樹脂を溶かす性能を有しますから、ちょっとした接着剤の除去などに役立ちます。より強力なアセトンを使う手もありますが、そこまで必要とは限りませんし、何より除光液は入手性が良いので便利です。

女性なら持っている可能性が高く、男性であれば身近な人から借りられる確率が高いので、作業着についた汚れ落としに向いています。しかし、除光液などは脂や樹脂を溶かす力が強く、プラスチックに触れると曇ったり割れるリスクがあります。

使用の際は必要な分だけを取り出し、汚れにピンポイントで使うのがベターです。また、擦りつければ汚れが繊維に入り込む可能性もあるので、タオルなどで拭い取るようにすると良いでしょう。それでも落ちない成分は、溶かして落とすのが難しいと思われますから、物理的に除去することになります。

「作業着のサイズ感はどこに注意すべきか」

クリーニングに頼むのもアリ

繊維に入り込んで固まってしまっているものは、物理的に取り除けないので、個人で落とすのは諦める他ないと考えられます。逆に表面に付着している程度ならば、界面活性剤入りの洗剤を少量つけて柔らかくしたり、剥がすようにすると取れる可能性があります。

作業着は身につける現場環境によって、黒ずんだり埃まみれになるなど様々な形で汚れます。のりや接着剤のようなものは、建築における室内作業で付着しやすいですから、作業中はなるべく汚れに気をつけ、ついてしまったら種類に合う溶剤で落とすのが正解です。

汚れは時間が経つほど落ちにくくなりますし、種類の判別も難しくなるので、できる限り毎日チェックして綺麗に保ちたいところです。付着した汚れが蓄積したり、固着してお手上げ状態の場合は、素直にプロのクリーニング店に依頼するのが手っ取り早いです。

新品時のパリパリやゴワゴワは自宅で落とせますが、染み込んだり固着している付着物は難しいので、まとめて落とせる可能性のあるドライクリーニングが狙い目となります。新品同様に戻る保証はないものの、気にならない程度になる期待は持てますから、困った時はクリーニング店に要相談です。